クラシックともポップスとも違うジャズに、魅了されている人は多いでしょう。1900年代初頭にアメリカで発祥したジャズは、それまでの主流だったクラシックとは正反対のスタイルをもつ即興的な音楽ジャンルとして注目を集め、独自の文化を育んできました。
この記事では、ジャズの種類を合計10種類に展開。ジャンルごとに有名なアーティスト、そして名盤のレコードをご紹介します。レコードシティ買取センターにおけるジャズレコードの買取実績も掲載しているので、ジャズレコードの売却を検討している方もぜひご注目ください。
そもそもジャズとは
ジャズは、1900年代初頭にアメリカで誕生しました。楽譜どおりの演奏を再現するクラシックとは正反対で、即興性を重視し、アドリブを生かした自由なスタイルが特徴です。現在では世界中にジャズアーティストがおり、日本人によるジャズは「和ジャズ」とも呼ばれています。
ジャズの種類と名盤(レコード)
ひとくちにジャズといっても、その種類はさまざまです。当記事では、ジャズを10種類にわけ、各種類を代表するアーティストと名盤レコードをご紹介します。
ディキシーランドジャズ(ニューオリンズジャズ)
ディキシーランドジャズは、ブラスバンドの行進曲に即興の歌詞を付けたジャズの元祖です。トランペットやトロンボーン、クラリネットを中心に演奏を奏でます。当時迫害を受けていた黒人による音楽でもあり、発祥となった地名を冠して「ニューオリンズジャズ」と呼ばれることも珍しくありません。
名盤:聖者の行進(ルイ・アームストロング)
ルイ・アームストロングによる「聖者の行進」は、時代を超えた名盤です。1920年代にはニューオリンズの歓楽街が閉鎖され、シカゴへと活躍の場を移しましたが、彼らが音楽のスタイルを変えることはありませんでした。
スウィングジャズ
初期のジャズは4~5人のバンドによって奏でられましたが、1930年以降に登場したスウィングジャズでは、バンドが巨大化しています。ディズニーシーのアトラクション「ビッグバンドビート」もこの時代のジャズをテーマにしており、軽快なダンスミュージックへと発展しました。
名盤:Take the A Train(デューク・エリントン)
ムーディーな雰囲気は残しつつも、警戒でリズムを取りやすいスウィングジャズを代表する名曲が、デューク・エリントンの「Take the A Train」です。日本語では「A列車でいこう」と訳されています。
モダンジャズ(ビバップ)
モダンジャズは、コード進行に沿ってアドリブを加えるジャズです。スウィングジャズへのアンチテーゼとして生まれたとされており、当時としては、前衛的で洗練されたサウンドでした。短時間に多くの音符を入れており、流れるようなスピード感を楽しめます。
名盤:Confirmarion(チャーリー・パーカー)
チャーリー・パーカーの「Confirmarion」を、モダンジャズの名盤としてご紹介します。大衆娯楽としてのジャズではなく、ミュージシャンの技術を競うかのような特色をもつ、モダンジャズを象徴するかのような一曲です。
クールジャズ
クールジャズは、モダンジャズから大衆のジャズを取り戻そうとする動きから生まれた白人発祥のジャズです。聴きやすさでは往年のジャズへの回帰をはたしたものの、即興演奏は限られ、物足りなさを覚えるジャズファンが多かったといいます。
名盤:Do It The Hard Way(チェット・ベイカー)
クールジャズを浸透させた第一人者が、チャット・ベイカーです。この頃からジャズの舞台は西海岸へと広がり、南部の黒人を中心とする文化からの派生が見られはじめます。今日に続くジャズの歴史を紡ぐうえで、切っても切れない名盤が「Do It The Hard Way」です。
ラテンジャズ
アメリカのものだったジャズは世界中に広まり、1940年代には中南米風のラテンジャズが誕生しました。主にキューバからの移民によって奏でられた「アフロ・キューバン」、サンバのリズムを採り入れた「ブラジリア・ジャズ」など、エッセンスとなる各国の文化ごとに特色が異なります。
名盤:Aguanile Bronco(IRAKERE)
キューバ系ラテンジャズバンドの「IRAKERE」による代表曲「Aguanile Bronco」を、名盤として紹介します。軽快なリズムはジャズのそれですが、電子音の効果により、陽気な印象を感じられる名曲です。
モードジャズ
1950年代後半に差しかかると、ジャズのベースは、コード進行からモード進行へとバトンタッチします。音使いが制限されることが多かったモダンジャズの欠点を補っており、ソロパートでのアドリブがしやすくなっています。
名盤:カインド・オブ・ブルー(マイルス・デイビス)
モードジャズの象徴が、マイルス・デイビスです。数多いヒット曲の中で、「カインド・オブ・ブルー」は、モードジャズの最高傑作とも評されています。
フリージャズ
これまでに紹介してきたジャズは、いずれもなんらかのスタイルをベースに演奏されてきました。これを一新し、自由な曲調となったのが、フリージャズです。コードを無視しており、複雑に入り組んだ音楽性に特徴があります。
名盤:Ascension(ジョン・コルトレーン)
楽器同士がぶつかり合い、不協和音の一歩手前のようなフリージャズという概念を見事に表現しているのが、ジョン・コルトレーンによって演奏された「Ascension」です。好みがわかれやすいものの、一度聴いたら忘れない独自の世界観を楽しめます。
ジャズファンク
1960年代に生まれたジャズファンクは、これまでにご紹介してきたジャズの進化における総決算のようなジャンルです。ファンク、ソウル、そしてR&Bが取り込まれ、電子楽器による演奏も盛り込まれました。
名盤:What is Hip(タワー・オブ・パワー)
16ビートで進行するスピード感のある名盤「What is Hip」は、タワー・オブ・パワー史上、最大のヒット作品です。この楽曲を聴いただけでは、これが「ジャズ」のカテゴリーに入るとは思えない方が多いかもしれません。
スムースジャズ
ジャズファンクの出現によってジャズは、一種の完成を迎えましたが、1980年代後半になると、聴き心地のよいスムースジャズが登場しました。ラジオ発祥のスムースジャズは、クールジャズからの流れを引き継いでおり、ノラ・ジョーンズら新しいスターを生み出しています。
名盤:Breezin’(ジョージ・ベンソン)
「Breezin’」は、ウエス・モンゴメリー伝統のオクターブ奏法を得意としたジョージ・ベンソンの名曲です。ふたたびゆったりとした曲調に回帰したことが伝わるのではないでしょうか。
コンテンポラリージャズ
2000年頃に登場したコンテンポラリージャズは、現在もっとも新しいスタイルのジャズです。フリージャズの進化版としての側面が強く、スムースジャズをより自由にさせたようなサウンドに特徴があります。
名盤:アンスピーカブル・ワールド(ゴー・ゴー・ペンギン)
スムースジャズで紹介した「Breezin’」を高速化し、アレンジを加えたようなサウンドですね。ゴー・ゴー・ペンギンは、テクノやクラシックからのインスピレーションを得ているバンドであり、新しいジャズを生み出すリーダー役としての期待がかかります。
ジャズレコードの買取相場はいくら?
ジャズレコードの買取相場は、ごく一般的なもので500円前後です。しかし、以下の買取実績でご紹介するとおり、希少なジャズレコードは、高値で買取されています。
【過去の買取事例】
アーティスト |
タイトル |
買取価格 |
ホリーリッジ・ストリングス |
ビートルズ・ソング・ブック(CP7112) |
120,000円 |
前田憲男とオール・スターズ |
八木節(SL1329) |
60,000円 |
鈴木弘 |
Cat(SP7006) |
65,000円 |
Sonny Clark |
Cool Struttin’ (BLP1588) |
ask |
Clair Marlo |
Let It Go(TLP29) |
15,000円 |
Bill Evans |
Waltz For Debby(RM399) |
15,000円 |
※上記相場価格は2022年記事公開時点のものです。
過去の買取事例と違いが出ている場合もございますので、
ご不明な点は、ぜひ一度お問合せください。
※ 掲載品は、美品であり「品番」「帯の有無と種類」「生産国」「製造年」等の条件を満たした品物です。
同じように見える品物でも、「製造年が違う」「帯がない」といった理由で価値がまったく異なります。
専門家が鑑定しないと分からないものもございます。お気軽にご相談くださいませ。
買取額は参考価格です。相場の変動により、表示金額と異なる買取額になることがございます。
その他の買取事例は、「レコード買取リスト」よりご確認いただけます。
まとめ
ジャズは時代に合わせて進化し、さまざまなジャンルを生み出してきました。多くの人がイメージするジャズといえば、1920~30年代にかけて誕生したディキシーランドジャズやスウィングジャズかもしれませんが、それ以外にも、個性的な特徴をもったジャズを楽しめます。
レコードシティ買取センターは、ジャズ分野のレコード買取実績も豊富です。音楽の歴史や希少性を深く理解したスタッフが、レコードを大切に扱いながら査定し、最大限の評価を下しています。ジャズレコードの売却先でお悩みならば、ぜひ当社まで大切なレコードをお預けくださいませ。
■買取のご相談はお任せください!
レコードシティでは、レコード・CDはもちろん、