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レコード雑学・ノウハウ

2026.05.06

約5分

レコードはどうやって作られる?製造工程をステップごとに徹底解説

レコードはどうやって作られる?製造工程をステップごとに徹底解説
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  1. レコード初心者の方:レコードがどのように作られるのか基礎から知りたい方に向けて、製造の流れをわかりやすく解説します。
  2. レコードコレクターの方:手元にあるレコードの素材や製造背景を理解することで、コレクションへの理解を深められます。
  3. 音楽制作に興味がある方:音楽がアナログ音源としてどのように物理媒体に記録されるかを知りたい方に役立ちます。
  4. レコードの購入を検討している方:製造品質がレコードの音質にどう影響するかを知ることで、購入判断に活かせます。
  5. レコードを長持ちさせたい方:製造素材や工程を知ることで、適切な保管・取り扱い方法の理解につながります。

本文概要

1. レコードの主原料

  • レコードはポリ塩化ビニール(PVC)を主原料とし、製造時の配合が音質と耐久性に影響します。

2. カッティングとスタンパー制作

  • マスター音源を金属ディスクに刻み込む「カッティング」と、プレス用の「スタンパー」制作が製造の核心工程です。

3. プレス工程

  • 熱で溶かしたPVCを金型(スタンパー)で圧縮成形し、レコードの溝を転写します。

4. ラベル貼付と品質検査

  • プレス時にセンターラベルが同時に圧着され、完成後に音質・外観の検査が行われます。

5. 製造コストと納期

  • 1枚あたりの製造コストは工場や枚数によって異なり、小ロット生産では数ヶ月の納期がかかることもあります。

レコードの原材料:ポリ塩化ビニール(PVC)の特性

レコードの主原料はポリ塩化ビニール(PVC)です。
PVCは熱可塑性樹脂の一種で、加熱すると柔らかくなり、冷却すると固まる性質を持ちます。
この性質がプレス成形に適しており、1950年代以降のレコード製造に広く採用されています。
PVCの純度や添加物の配合は、レコードの音質・耐久性・表面ノイズに直接影響します。
一般的なレコードにはカーボンブラックが添加されており、これがレコードの黒色を生み出しています。
一部のカラーレコードでは異なる顔料が使用されますが、音質面ではクリアビニール盤が最も純度が高いとされています。

マスタリングとカッティング:溝を刻む工程

製造工程の起点となるのが「マスタリング」と「カッティング」です。
まず音源はマスタリングエンジニアによって最終的な音圧・音質調整が行われます。
次に「カッティングマシン」と呼ばれる装置で、回転するラッカーディスクに音声信号に応じた溝を刻みます。
このラッカーディスクが「マスター」となり、以後の工程の基準となります。
カッティングの精度が最終的な音質を大きく左右するため、専門技術者(カッティングエンジニア)が担当します。
1枚のラッカーディスクから複数のスタンパーを制作できますが、使用回数が増えると音質が劣化します。

スタンパー制作:金属型を作るメッキ工程

カッティングされたラッカーディスクは、メッキ処理によって金属スタンパーへと変換されます。
まずラッカーディスクに導電性の薄膜を形成し、電気メッキによってニッケル製の「ファーザー」(陽性型)を作ります。
ファーザーからさらに「マザー」(陰性型)を作り、最終的にプレス用の「スタンパー」(陽性型)が完成します。
この「三世代工程」により、マスターを傷めずに複数のスタンパーを量産できます。
1枚のスタンパーでプレスできる枚数は一般的に500〜1,000枚程度が目安とされています。
スタンパーの摩耗が進むと音溝の精度が下がるため、高音質盤では早めのスタンパー交換が行われます。

プレス工程:熱と圧力でレコードを成形する

いよいよレコード本体を作るプレス工程です。
加熱・溶融させたPVCのペレット(ビスケットと呼ばれる)を上下のスタンパーの間に挟み、高圧プレス機で圧縮します。
この際、センターラベルも同時に上下から圧着されます。
プレス温度は約150〜180℃、圧力は数十トンに達します。
成形後は冷却・トリミング(はみ出したビニールの除去)を経て、レコードの形状が完成します。
プレス工程の品質管理が不十分だと、反りや気泡、プレスノイズの原因となります。

品質検査・梱包と現代のレコード製造事情

完成したレコードは外観検査と試聴検査を経て出荷されます。
反り・傷・プレスノイズ・音飛びなどを確認し、基準を満たさないものは廃棄またはリサイクルされます。
現代のレコード製造は、2010年代以降のアナログ回帰ブームにより需要が急増しています。
世界的にプレス工場の数は限られており、2020年代においても新規工場の設立が相次いでいます。
国内では数社がプレスを手掛けており、小ロット(数百枚〜)から対応する工場も存在します。
納期は注文枚数・工場の混雑状況により異なりますが、インディーズ盤では3〜6ヶ月程度かかるケースが一般的です。

まとめ

レコードはPVCを原料に、カッティング・スタンパー制作・プレスという精密な工程を経て製造されており、各段階の品質がそのまま音質と耐久性に直結しています。

ライター紹介:鈴木 玲奈 (Reina Suzuki)

プロフィール:

音楽ジャーナリストおよびエデュケーター。
ジャズを中心に幅広い音楽ジャンルに精通し、初心者から音楽愛好家まで幅広く音楽の魅力を届ける。

大学で音楽学を専攻し、音楽理論と歴史について学ぶ。卒業後は、音楽雑誌のライターとしてキャリアをスタートし、音楽の多様性とその影響についての執筆を続けている。

音楽に対する深い愛情と情熱を持ち、特にジャズの豊かな歴史とその進化に魅了され、音楽の素晴らしさをより多くの人々に伝え、その魅力を共有することが目標。

専門分野:

  • ジャズおよびその他の音楽ジャンルの歴史と文化
  • 音楽理論とパフォーマンスの解説
  • 音楽教育および教材の作成
  • アーティストのインタビューとレビュー

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