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花房浩一コラム:音楽ジャンキー酔狂伝〜断捨離の向こうに〜第1話 - 真っ暗闇の中からひっそり現れた音楽ジャンキーの誕生・成長秘話

花房浩一

10代から音楽にはまって、約半世紀で買い集めた音盤は数万枚。それを残して死ねるか!? と始めた断捨離に苦悶する、音楽ジャーナリスト・花房浩一の連載コラム、第1話。
真っ暗闇の中からひっそり現れた音楽ジャンキーの誕生・成長秘話が、いま初めて明かされる?!

危機一髪、漆黒から始まった奇跡のジャンキー人生

花房浩一、爆誕(無言)

 「おぎゃぁ〜」と泣くこともなく、台風の影響で停電中の真っ暗闇だったこの世に仮死状態で放り出されたのは1955年、後に敬老の日と呼ばれる9月15日の午前0時1分と聞かされている。この時、なんとか蘇生して一命を取り留め、いわば拾いもののような人生が始まったのは、終戦からわずか10年を経たばかりの時代だった。
 アメリカでエルヴィス・プレスリーが「That's All Right」でデビューした翌年で、ジェイムス・ディーンが自動車事故で他界する2週間前。といっても、そんなことは知る由もない。いずれにせよ、第二次世界大戦末期に、幾度となく繰り返された大空襲や広島長崎への原爆で破壊し尽くされた廃墟から人々が這い上がって一段落した頃だった。

 今じゃ想像もできないだろうが、炊事場や便所は共用という長屋の一部屋が当時は一般的な「我が家」だった。それは小津安二郎監督による不朽の名作『東京物語』で原節子演じる紀子が住んでいた部屋の感覚に近い。そこで過ごした幼少期の取るに足らない奇妙な記憶がぽろぽろと脳裏をかすめるが、ほとんどはわずかに残されている写真やおふくろから聞かされた後付けのような気がする。

 なんでも4〜5歳の頃のお気に入りは、ラジオ・ドラマ「赤胴鈴之助」。これが始まると耳をそばだてて聞きながら、主題歌が流れると大声で歌っていたとか。また、庶民の娯楽といえば映画で、両親に連れられて目にした『ギターを持った渡り鳥』に魅せられたんだろう、大人になったら、なぜか主人公ではなく、それを演じる「小林旭になる」と、真剣に思っていたものだ。

モノクロから総天然色の時代へ

花房浩一、月光仮面になる

 そして、一般には高嶺の花だったテレビがここに加わる。ご近所の医者が買ったというので見せてもらいに行った時の情景は映画『ALWAYS 三丁目の夕日』で描かれていたシーンそのもの。大勢の子供が一緒になって、目を丸くしながら新しい世界を食い入るように見ていた。夕方のわずかな時間、たまに観ることができただけなのに、強烈なインパクトがあったんだろう。その影響は絶大で、風呂敷を覆面のようにして月光仮面よろしく三輪車に乗っている写真も残っている。

 とはいっても、記憶に残る世界はモノクロだった。当初、総天然色という言葉が使われていた映画は次第にカラーが普通になっていったけど、写真やテレビがそうなるのは60年代終わりから70年代初期。そのせいか昔の記憶にはなかなか色が出てこない。

 それでも、なにかが色めき始めていたように感じさせてくれたのがテレビだった。後の昭和天皇の成婚式や東京オリンピックを契機に急速にテレビが普及して、相撲に野球やプロレスが爆発的な人気を獲得。が、きらびやかな色を感じさせたのは音楽番組だった。スマイリー小原がタクトを振りながら、ヒット曲を紹介する「ヒット・パレード」や、クレイジー・キャッツとザ・ピーナッツの「シャボン玉ホリデー」ではジャズやポップスや歌謡曲が華々しく輝いていた。同時に、耳について離れなかったのが、日本でも大ヒットしていたアメリカ産のテレビドラマのみならず、国産の漫画やドラマのテーマ音楽。それも当然だろう。それから数十年も後、その裏にそうそうたるミュージシャンの名前をみつけることになるのだ。

価千金のTVテーマミュージック

 さすがにこの時点ではまだはなたれ坊主で、ステレオなんて贅沢品の時代。電蓄という小型のレコード・プレイヤーが売れ始めてはいたが、レコードを買うまでにはいたってはいない。ただ音楽ジャンキーの嗅覚は着実に育っていたのだろう、実は、現在DJとしてピックアップしているレコードの多くがこの頃の作品だ。今や安価ではみつけられない、ネルソン・リドルによるオリジナルTVシリーズの「バットマン」や数ヴァージョンあるとされるウルトラQのテーマなど、キラー・チューンと呼ぶにふさわしい傑作の数々がこの頃に生まれているというのを、それから約半世紀を経て発見するようになるとは…

 

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レコードシティ限定・花房浩一連載コラム【音楽ジャンキー酔狂伝〜断捨離の向こうに〜】は毎月第2・第4月曜日に更新です!

 


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花房浩一・音楽ジャンキー酔狂伝〜断捨離の向こうに〜


花房浩一

花房浩一

(音楽ジャーナリスト、写真家、ウェッブ・プロデューサー等)

1955年生まれ。10代から大阪のフェスティヴァル『春一番』などに関わり、岡山大学在学中にプロモーターとして様々なライヴを企画。卒業後、レコード店勤務を経て80年に渡英し、2年間に及ぶヨーロッパ放浪を体験。82年に帰国後上京し、通信社勤務を経てフリーライターとして独立。
月刊宝島を中心に、朝日ジャーナルから週刊明星まで、多種多様な媒体で執筆。翻訳書としてソニー・マガジンズ社より『音楽は世界を変える』、書き下ろしで新潮社より『ロンドン・ラジカル・ウォーク』を出版し、話題となる。
FM東京やTVKのパーソナリティ、Bay FMでラジオDJやJ WAVE等での選曲、構成作家も経て、日本初のビデオ・ジャーナリストとして海外のフェス、レアな音楽シーンなどをレポート。同時に、レコード会社とジャズやR&Bなどのコンピレーションの数々を企画制作し、海外のユニークなアーティストを日本に紹介する業務に発展。ジャズ・ディフェクターズからザ・トロージャンズなどの作品を次々と発表させている。
一方で、紹介することに飽きたらず、自らの企画でアルバム制作を開始。キャロル・トンプソン、ジャズ・ジャマイカなどジャズとレゲエを指向した作品を次々とリリース。プロデューサーとしてサンドラ・クロスのアルバムを制作し、スマッシュ・ヒットを記録。また、UKジャズ・ミュージシャンによるボブ・マーリーへのトリビュート・アルバムは全世界40カ国以上で発売されている。
96年よりウェッブ・プロデューサーとして、プロモーター、Smashや彼らが始めたFuji Rock Festivalの公式サイトを制作。その主要スタッフとしてファンを中心としたコミュニティ・サイト、fujirockers.orgも立ち上げている。また、ネット時代の音楽・文化メディア、Smashing Magを1997年から約20年にわたり、企画運営。文筆家から写真家にとどまることなく、縦横無尽に活動の幅を広げる自由人である。

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